石田のつぶやき

宇宙関連事業部の立ち上げにあたり

思い返せば2009年に初めて人工衛星に関わるお話しを頂き、主に電源制御基板の設計

から実装基板までを受注したことが始まりとなり、今では年間数基の衛星(主に電源関連)

に携わっています。

衛星製作の全行程の中で私達はほぼ中間に位置しており、特に前工程、最終工程に携わ

っておられる方々は超一流の技術者です。

簡潔に申しますと、その方々の意図するものを正確に形にするのが我々の責務であり

それを全うすることが、新たな受注に繋がり広がっていく。

そのような形でこの十数年が過ぎていきました。

但し、この流れは未来永劫変わらないというものではなく、私も含め次の世代に技術を

継承していかなければ途切れてしまうものです。

経産省の宇宙産業室では、今後、小型規模の衛星が数多く打ち上がる見込みであるが

小型衛星分野において安定した電源制御装置の供給が出来る企業が非常に少ない。

さらに過去に打ち上がった人工衛星でミッションを全う出来なかった衛星が多く、

特に電源の供給体制に関しては急務の課題との見解を述べられています。

弊社も含めたグループが供給した電源については、運用実績が示す通り安定動作に

定評がありますので、今後の宇宙産業にさらに貢献をしていく為に何が出来るのか

を日頃から考えておりました。

弊社では昨年初めより技術継承、事業継続化のため以下に示す新たな一歩を踏み出し

ました。

・過去の資産も含め、電源制御基板の回路知識の習得をOJTにて実施中

・各種動作確認試験及び調整作業の理解をOJTにて実施中

・電池セルのスクリーニングノウハウの習得と実作業訓練(基礎訓練は昨年完了)

・より高信頼性・長寿命な運用を可能とする電源制御ユニットの開発を行う。

(某大学と共同研究開発契約を締結し来期より開始予定で、熱の移動を抑える

特許素材とバッテリーを組み合わせることにより、ヒーターを使わず性能を維持

し、電力の消費を抑える電源ユニット)

・上記に関する必要設備の導入(事業再構築補助金を利用し、本年2月に設置完了)

電子部品の入手性悪化もあり、設備導入に思いの外時間を要しましたが、漸く形

になってきたところです。

事業部は本社から10分ほど離れた場所となりますが、クリエーション・コア東大阪

にて事業を開始していきます。

先ずは試運転と得られるデータ類の確認作業からですが、数年後にはオンリーワン

になっている事を目指し、決して夢ではなくこれまで同様に実現させていきます。

本日、エイプリルフールですが、フェイクでは御座いません。

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