基板設計とは?
前回【プリント回路基板ってなんだ?】の最後の方に
基板に配線パターンを描くことをアートワークと書きましたが、
アートワークをする仕事を「基板設計」、その作業者を「基板設計者」と呼びます。
また、回路を設計して回路図に書き起こす仕事を「回路設計」、
その作業者を「回路設計者」と呼びます。
回路設計者は、部品記号を用いて図(下図)を描いて行きます。
例えば(交流もしくは直流の)電源電圧が入ってきたら、
その電流を調整したり、LEDを光らせたり、いわゆる
「所望の動作を実現するために必要なもの」を描いています。
その回路設計者が描いた図を実際に
「形」にする為に、アートワーク(下図2つ目)が必要となってきます。
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そこで基板設計者の登場です。「あれ、回路設計者はアートワークをしないの?」という方もいらっしゃると思いますが、
確かに回路設計者がアートワークをする事もあります。
では、なぜ回路設計者は基板設計者に依頼をするのかと言うと、
実際の「形」にする為には、
アートワークの後に様々な工程(下図3つ目)が必要になるためです。
当然その工程毎の知識(後述)も必要となります。
よって一般的に回路設計者 / 基板設計者として役割分担されていることが多いです。
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アートワーク以降には大きく分けて下記の工程があります。
・プリント回路基板を作る「基板製造」
・抵抗やコンデンサ、LEDなどの部品を実装する「部品実装」
・プリント回路基板を入れるケースに取り付けをするなどの「組立」
この様な工程を経て、スマートフォンやTV、
人工衛星などの「製品」(下図4つ目)が作られております。
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その為、基板設計には下記の知識が必要となってきます。
・回路性能が損なわれない為の「回路の知識」
・部品の性能、使用方法が間違っていないかなどの「部品の知識」
・基板製造が問題無く出来るかの「基板の知識」
・部品がしっかりと実装できるかの「実装の知識」
・ケースなどに取り付けても問題が無いかの「機構の知識」
基板設計とは、各工程を滞りなく進める事ができる様、
基板設計者は日々勉強し、且つ回路設計者が描いた図を実際の
「形」=「製品」にする「ものづくりをつなげる」重要な仕事です。