プリント回路基板設計ってなんだ?
皆さんの持っているスマートフォンやパソコン、TV、
はたまた宇宙で活躍するロケットや人工衛星など、
電子機器と呼ばれる製品の中にはすべて「プリント回路基板」というものが入っています。
プリント回路基板(PCB: Printed Circuit Board)とは、回路設計に基づいて抵抗,
コンデンサ,各種ICなどといった電子回路部品を表面または裏面に
配置・配線することで電子回路を構成する板状やフィルム状の部品のことを指します。
※狭義では部品を含まない基板のみを指し、広義ではこれら電子回路部品を実装した状態を指します。
※最近は部品を基板内部に埋め込んだ部品内蔵基板と呼ばれる仕様もあります。
プリント回路基板の種類は以下の3つに分類されます。
リジット基板:柔軟性のない絶縁体基板材料を用いたもの
フレキシブル基板:絶縁体基板材料に薄く柔軟性のある材料を用いたもの
リジットフレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料を複合したもの
(それぞれの基板にはさらに細かい種類に分類されますので、
後日コラムにてご紹介させていただきます。)
回路基板の歴史は長く、世界最初の配線板のアイデアは
なんと約120年前の1903年!
その後の1941年、Paul Eislerにより現在でも
主流のプリント基板製造方法となっている
“銅箔エッチング法“が開発され、
プリント基板の元祖が誕生することになりました。
実は、プリント基板は第二次世界大戦の軍事技術の産物なのです。
現在では目では見えないほどのとても小さな部品が
プリント基板の上に実装されていることが多いです。
プリント基板に実装されている部品としては、
リード(部品の金属端子)を基板の表面から裏面に貫通させ、
リードをはんだ付けして電気的に接続する”貫通部品”,
基板の穴に差し込まずに表面または裏面だけ
実装を行う”表面実装部品”の2種類があります。
この表面実装部品は軍事用と航空宇宙用に開発された部品で、
実装スペースを削減する目的から誕生しました。
1960年代後半に米国の宇宙開発プログラム「アポロ」や
「スカイラブ」で打上げに用いられたロケット、
SaturnVに搭載されたIBM社製のLaunch Vehicle Digital Computer(LVDC)には
数多くの表面実装部品が使われています。
ちなみに基板に配線パターンを描くことをアートワークと言います。
アート(芸術)のワーク(仕事)??!!!
なんだかカッコいいですよね!!!!